ソーシャルワーク研究会便り20
2024.3.16 一般社団法人国際ソーシャルワーク協会代表理事、日本女子大学名誉教授 木村真理子 1.グローバリゼーションと国際ソーシャルワークの背景 グローバリゼーションの現象は加速し世界中に様々な影響を及ぼしている。この現象はグローバルとローカルを接近させ、グローカルということばを生み出し、グローバルノース(地球の北側に位置する先進諸国)とグローバルサウス(地球の南側に位置する発展途上の諸国)の間の関係はさらに複雑化・深刻化している。 地球全体に影響を及ぼす課題は、国連機関と関係諸機関、国際人道組織やNGO、多国籍企業、国際財団、政府機関、国際専門職組織などが解決に意識を集中させ、MDGsとそれに続くSDGsの到達目標の数値を含め、世界の様々なレベルを超えた調整や資源調達、関係機関や多セクターの連携・協働による状況の改善を求めている。これらの課題の多くは人々のウェルビーイングやエンパワメントに関わるソーシャルワークが課題であるとして、国際ソーシャルワーク・社会福祉組織による効果的な介入に対する方策を求める声が拡大している。...
