ソーシャルワーク研究会便り12
- horifumisan
- 2022年3月28日
- 読了時間: 2分
2022.3.28
佐藤亜樹
2021年度 ソーシャルワーク研究会での発表を終えて
2021年12月25日に、ソーシャルワーク研究会のメンバーの皆様に向けて、「人間の幸福とペット~ペット喪失による悲嘆を経験している人々への専門的支援~」と題した発表を行いました。本テーマを選んだ理由は、私自身の博士論文のテーマと深く関わっていたからです。また、数年後に、本務校にて「人間の幸福とペット」という科目名で「人間の生活における動物の役割」に関する講義を担当することから、我が国のソーシャルワーク分野の先生方からのご教示を頂けたらという思いもありました。
ご視聴下さった皆様、また、貴重なご意見を下さった先生方に、心より感謝申し上げます。皆様とのやりとりを通して、我が国においても米国と同様に、現代社会におけるペットと飼い主との関係は、自身が子どもの頃のペットとの関係とは、随分と違っているように感じました。このことは、人間の子どもの数が減少していることや、ペットが長寿化し屋内で過ごす時間が飛躍的に長くなっていることも、大きく関わっているのではないかと強く感じました。
本テーマを研究するにあたり、国内外の文献はもとより、米国州立テネシー大学の獣医療ソーシャルワークのオンライン講座の受講、我が国で20年に渡り活動を続けておられるペット・サポート・グループへの観察者としての参加、自分自身が飼っていた猫との経験を活用しました。本発表の2週間後に、恩師のギッターマン先生が、「同様の論文がアメリカの専門誌に出ている」と送って下さり、そのタイミングにびっくりした年末年始でした。
日本に帰国して早8年が過ぎましたが、ソーシャルワーク分野で本テーマに関する発表をするたびに、「それがソーシャルワークとどう関係しているのか」とたずねられることが多く、折に触れ、この現象は何を意味するのかと考えてきました。一度、さまざまな研究者の方々のソーシャルワークの定義を聞き、それを集約したら面白いかもしれないと考えています。
つれづれなるままに書き進めましたこと、どうぞお許し下さい。今後は、飼い主のペットへの愛着(スタイル)が飼い主の共感性や人間同士のコミュニケーションにどのように影響をおよぼすのかを、質的・量的に探っていきたいと考えています。今後もご指導・ご助言をお願いいたします。
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