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ソーシャルワーク研究会便り6

2020.11.1

高石豪


「第20回ソーシャルワーク研究会に参加して」


 ソーシャルワーク研究会の北島英治先生にお声をかけていただき、第20回ソーシャルワーク研究会において、「日本ソーシャルワーカー協会のこれまでとこれから」と題し、報告をさせていただきました。併せて、筆者個人としては、ソーシャルワークの実践者や研究者が集うこの研究会において、当協会(JASW)への期待や意見を得たいということが本音でもありました。参加者から多くのご意見をいただき、示唆に富んだ内容で、筆者としてはたいへん有意義な機会でした。改めてお礼申し上げます。ここでは、いただいたご意見等を箇条書きして、筆者自身が振り返ると共に(みなさんごめんなさい、貴重な場を個人的なことに。)、今現在は筆者個人の段階ではありますが、今後の当協会の活動展望を妄想的に、絶叫的に述べさせていただければと思います。


 いただいた主なご意見等は、下記のとおりです。

○JASWは、対象者(例:権利擁護)に対することとSWrに対すること(例:保険)の両  方が無く、これを今後明確に確立していかなければならない。

○JASWのテーマや活動方針が見えてこない。

○JASWにあるアカデミズムの機能をどう整理するか。JASWは学会か職能か。

○国家資格要件を有していないことが利点でもある。例えば、施設やNPOで実践するSWrの組織化、あるいは、当事者団体の組織化などできることはたくさんある。

○国家資格要件を有していない故に、社会サービスに従事する様々な実践者が入会できる可能性が他の国家資格団体よりはある。

○IFSW国際会議は「参加しました」という絵日記的ではいけない。各国の状況やそれに対する学びや気づきを報告しなければならない。

○国内と国際の関係ではなく、我々は国際の一員であり、世界にSWrと共に創るという意識の脆弱さ。例えばグローバルアジェンダに即した国内での取り組みなどが消極的ではないか。

○現場によってはSWが身近に感じられない。SWの研修、現場に役立つ研修の機会が乏しく、そこをJASWに期待したい。

○JASWはSWの理念や本質を追求していってほしい。

○ファンドレイジングへの取り組み。社会的な課題に取り組むことを明確にし、社会から資金を得る。


 これらに対して、今現在、筆者の妄想と絶叫は下記のとおりです。

○IFSWの国際会議参加については、絵日記は止めます。参加者と分担しながら報告書を作ります。

○これと併せて、JASW内にある国際委員会を中心にして、グローバルアジェンダに基づく国内活動を行う機能を作ろうと考えています。

○アカデミズム機能の整理については、これまで全く考えてこなかったので、斬新で新鮮でした。今日においては、学会は多数設立されているわけですから、JASWが中途半端に行う必要もないのかなと思いました。いずれにしても職能団体としての方針の確立なのだと思います。

○現場の役に立つ研修をさらに意識したいと思います。そのためには、特にJASWと協働関係にある地域の都道府県協会の事務局長クラスと意見交換を行いたいと思います。


 上記とは別に、JASWとして既に取り組んでいることも併せて記述しておきます。

○役員選出方法を変更しました。中央の一部の役員で活動内容を決めるのではなく、地域の会員の声を反映させるべくブロック制を導入し、地域の会員の声に即していきたいと思います。

○既に、JASWでも課題となっていたICTの活用を取り入れました。定款を変更しメールやオンラインでの決裁が可能となる仕組みに変更しました。また、可能なかぎり現物郵送を抑え、メールなどを活用して会報などは送信し、経費削減に取り組むこととしました。

○具体的な社会的課題に対する取り組みとして、いわゆる在留外国人の権利擁護について取り組むこととしました。まずは活動経費確保の為、民間助成金に申請しております。


 しかし、そうは言っても、本質の「JASWは誰に対して何を行う団体なのか」は未だに明確ではありません。これを明確にしなければと強く思っております。そのために、今後も引き続き、JASWの内外含め、多くの方と議論していきたいと考えております。今後とも、ソーシャルワーク研究会と交流していければと思っております。何卒よろしくお願い申し上げます。


特定非営利活動法人日本ソーシャルワーカー協会

事務局長 高石豪

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